2017年5月30日火曜日

"エイジングで美しさを増す金無垢ケースのスミス・デラックス"



■スモセコ・2トーン・デラックス
スミス・デラックスの中でも最も人気の高いこのモデルは、金無垢、金メッキともに1950年代に生産されていました。水分などの侵入が無ければ、特にマット・ホワイトのセンター部分に味わい深いエイジングの表情が現れます。
デラックスやアストラルなどのハイグレード・モデルには100年後にどんな経年変化が現れるかを考えた素材選びを行っていたといわれています。


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■スモセコの存在意義と魅力
スモール・セコンド・ダイアル、略してスモセコは小さな時計の文字盤に、さらに凝縮間と複雑さを与えます。時計の構造上、シンプルに秒針を取り付けると必然的に6時の位置となります。つまり複雑に見えるスモセコですが、実は腕時計の原点でありベーシックだったのですね。そのためスモセコが、デザイン的にトラディショナルな雰囲気を与え、ヴィンテージの味わいを深めているのというわけです。




■センターセコンドのデラックス
そうなると、センターセコンドの構造も気になりますね。実はシンプルに見えるセンター・セコンドはスモセコのムーブメントをベースにギアを追加して秒針を移動しているため、ムーブメントはスモセコよりも複雑にできているのです。機械好きには、分かりますね!スモセコ15石、センター・セコンド17石の理由が…!?
答えは、いずれ、ブログにて紹介いたします。


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■375は9金無垢ケースの証
写真に移っている375の数字。これはケースに含まれる金の比率を表しています。スミスの金無垢ケースは9金。純金は24金ですから24の37.5%、つまり24に0.375を掛けると答えは9となるわけですね。
9金無垢は金の他に真鍮や銅などが混ざった合金なのですね。そうなると、スミスが9金を選んだ理由も気になります。こちらも、またの機会に…。



■マグナムサイズのスミス・デラックス
スミス・デラックスの中でも外径35mm以上の物を英国ではマグナム・サイズと呼んでいます。デラックスの中でも、特にフラッグシップ・モデルには、このマグナムサイズの9金無垢ケースが使われています。当然、サイズが大きくなる分、金の質量も増えることになり販売価格にも反映されていました。





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■文字盤にも拘りが
マグナムサイズのフラッグシップモデルは、その大きさだけではなく、文字盤にもフラッグシップにふさわしい拘りが注ぎ込まれていました。
やや、グリーンがかったグレーの盤面はこのモデル独特な斑点状のエイジングを見せます。また、長短針のメッキも他のモデルと材質が異なっているようで、赤っぽい斑点が浮かび上がります。
そして、銅の割合が多い9金無垢ケースはピンクゴールドに近い輝きを見せます。


■上品で美しいケースのデラックス
このデラックスはデニソン社製アクア・タイト・ケースに地紋の美しいセンター・セコンドが気品を感じさせるデザインが魅力です。
英国の名門ケースメーカーのデニソン社の製品は、防水機能や高い工作精度などの技術的な魅力に留まらず、計算されつくした美しいラインなどのデザイン性も魅力です。
知れば知るほどに、味わいを感じられる、云わば大人のデラックスと言えるでしょう!




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■繊細な地紋は最大の魅力
さらに、この時計の最大の個性はなんといっても文字盤の繊細な地紋と言えるでしょう。淡い光と影とが織りなす微妙なニュアンスにより上品で軟らかい質感を作り上げたスミスのセンスは、英国の一級品と呼ぶにふさわしいと言えるでしょう。このデラックスを見ると、世界のラグジュアリー・ブランドのエルメスをはじめとするベンソンやアスプリーがスミスに製作を依頼していたことにも頷けます。